セブン―イレブン・ジャパンは10日、国内既存店の売上高が7月まで60カ月連続で前年同月を上回ったと公表した。

丸5年に渡って増収を確保するのは「当社の記録に残る限り初めて」(セブン)という。2013年に発売したいれたてコーヒーを中心に、主力商品の刷新や販売促進の強化が奏功。増え続ける女性や高齢者の顧客の需要も取り込み成長につなげた。

7月の既存店売上高は前年同月比0.7%増だった。来店客数は0.2%減で振るわなかったが、客単価が0.9%増と堅調で補った。
サンドイッチなどの主力商品を刷新し、今年から7月11日を「セブンイレブンの日」として菓子類で限定商品を発売して話題を喚起したことも奏功した。

60カ月連続の増収を達成したのは商品力が大きい。国内最多の約2万店を通じた販売力を背景に、弁当やおにぎり、サンドイッチなどの主力カテゴリーを中心に取引先メーカーと商品を作り込んできた。
グループ共通のプライベートブランド(PB)「セブンプレミアム」でも日用品などで独自商品を増やし、幅広い層の需要を開拓した。

ただ、さらなる成長には課題もある。同社は同日午前、都内と広島市内に保育園を設けると発表した。コンビニに併設する形で、子育て世代の人が子供を預けて働けるようにする。
人手不足を背景に、コンビニ業界でも店員の確保が難しくなっている。販売拡大だけでなく、店舗網というインフラを維持できる施策を講じていけるかが今後重要となってくる。(川上尚志)

配信 2017/8/10 15:39
日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ10HPB_Q7A810C1000000/?dg=1&;nf=1