トラックやバスなど運送業の事業所を労働基準監督署が2016年に立ち入り調査した結果、4381カ所のうち3632カ所で労働関係の法令違反があったことが、厚生労働省の集計で分かった。

違反率は82.9%と15年と比べて2ポイント低下したが、8割を超す事業所で違反行為が行われていることから、厚労省は監督指導を強化する。

違反内容をみると長時間労働が2434カ所(55.6%)で最も多かった。残業代が適切に支払われていない違反は956カ所(21.8%)に上った。

トラックの運転手などの労働環境の改善を目的に、厚労省は国土交通省と連携して合同監督・監査を実施している。16年は前年比53%増の272カ所の事業所に対して行った。

厚労省によると、具体的な違反事例として、トラック会社で時間外・休日労働が月100時間を超える運転手が複数人いたため、労働基準監督官が長時間労働を是正するよう指導した。また貸し切りバス会社が深夜業務に就く従業員に対して健康診断をしていなかったことから是正勧告したという。

配信2017/8/11 18:25
日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG10H84_R10C17A8CR8000/?n_cid=TPRN0003