人手不足36% 景気への悪影響懸念も6割超え、「商機逃す」と警戒感
産經新聞:2017.8.12 11:41更新
http://www.sankei.com/economy/news/170812/ecn1708120010-n1.html
(回答企業一覧は掲載元でどうぞ)

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 産経新聞社が7月下旬から8月上旬にかけて主要企業121社を対象に実施したアンケートで、4割近く(無回答を除く)の企業が人手不足を感じていることが分かった。
人手不足は商機を逃す要因にもなりかねず、景気に悪影響を与えるとの懸念も6割に上った。

 人手不足については、「全般的に不足」との回答が4%で、「一部で不足」が32%だった。
「過不足はない」との回答が最も多く63%に上ったが、「過剰」という回答は1%のみで、全体としては人手不足の傾向がうかがえる結果となった。

 最大の要因は景気拡大を受けた仕事の増加だ。
6月の有効求人倍率は1・51倍と高度経済成長直後の昭和49年2月以来の高水準で、アンケートでも幅広い業種で人手不足が広がっていることが浮き彫りになった。

 人手不足が景気に与える影響については、64%が「悪影響を与える」と回答。
「受注活動や生産活動の遅延」(建設)や「人件費上昇が収益を圧迫する」(素材)などが理由だ。

 しかし、「賃金上昇圧力の強まりは企業の生産性向上を促す」(保険)、「賃金引き上げによる消費が拡大」(食品)などと前向きにとらえ「一部に好影響」とする回答も12%あった。

 対策について聞くと、採用活動の活発化や外国人の積極採用を進めている様子が浮かび上がった。
また、「ロボット・AI(人工知能)の活用による生産性向上」(機械)といった省力化投資への取り組みを挙げる企業も目立った。