海水浴場健全化のため、神戸市が今年から海の家でアルコール度数の高い酒類の販売を禁止した須磨海水浴場(神戸市須磨区)で、7月13日の海開きから8月22日までの泥酔者に対する救急出動が18件に上ったことが23日、神戸市消防局への取材で分かった。昨夏の全期間の出動(22件)に迫る状況で、海水浴に訪れた親子連れなどからはより厳しい対応を求める声も上がっている。(杉山雅崇)

市消防局によると、海開き期間中における須磨海水浴場周辺での泥酔者救助出動数は、15年(54日間)が17件、16年(49日間)が22件と増加傾向にある。今年も22日までの41日間で、同海水浴場周辺への出動原因の9割が泥酔者救助を占める。死亡者は出ていない。

海水浴場の健全化を目指す神戸市は今年、同海水浴場にある海の家でウオッカやテキーラの販売を全面的に禁止。しかし、市消防局によると、搬送された泥酔者の中には、ウオッカやテキーラなどを持ち込んでいたケースもあったという。

大阪市から友人5人と訪れた30代の男性は、缶ビールやウイスキーなどを近くのコンビニで購入し、浜辺に持ち込んでいた。「海の家で買うと高くつくので毎年持ち込んでいる。一部酒類の販売禁止は知らなかった」と話す。

一方、家族で訪れた神戸市内の20代女性は「海岸でお酒を飲んで騒いでいる若者のグループをよく見掛ける。怖い」とし、飲酒自体の規制を求めた。

神戸市みなと総局海岸防災課の塚本勝彦係長は「酒の持ち込みが多いことは把握している。シーズン終了後に本格的に検証したい。今後も海水浴場の健全化を進める」と語った。

須磨海水浴場での泥酔者救助の出動件数
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今年も泥酔などによる救急出動が多い須磨海水浴場。酒の持ち込みも多く、対応が求められている=神戸市須磨区
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配信2017/8/25 06:00
神戸新聞NEXT
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