0001イセモル ★
2017/08/28(月) 13:14:36.04ID:CAP_USER9きっかけは、高校入学直後の1956年、天草の各地域から集まった同級生が話す言葉に驚いたことだった。「きゃーこくる」「ちゃいくる」「つっぱる」。いずれも「落ちる」を意味する方言だ。「こりゃ、面白か」と方言専用の雑記帳をつくり書きとめ始めた。
高校卒業後は、地元の書店や洋服店に勤め、天草全域を仕事で回るようになった。出向いた先々で新しい方言に出会うたび、その意味を聞いた。手元にノートがない時は飲食店の箸袋に書きとめ、記録する語彙(ごい)の数は増えていった。
旧天草町の高浜地区では「食べる」を「ぱぴぷぺぽ」で活用する、なんとも不思議な方言を聞いた。「ぱん(食べない)」、「ぷー(食べる)」「ぺー(食べろ)」といった具合だ。「飯(めし)ゃぱんパンなろぷー(ご飯は食べない。パンなら食べる)」。
「こんこらー、あんつれんとん、とんとつれんとん」。まるでフランス語のように響くこの言い回しは、釣り仲間同士の会話で拾った。「近ごろは、あの種の魚が一向に釣れないなぁ」という意味だという。
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