http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170904/k10011125621000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_001

関西地方などで、おととしからことしにかけて、止めてあった車が焼ける火事が相次ぎ、このうちことし5月に兵庫県と神奈川県で起きた火事2件について、車内のドライブレコーダーに内蔵されたリチウムイオン電池から出火した可能性の高いことが消防などへの取材でわかりました。いずれも東京の無線機器メーカーの同じ機種で、メーカーは製品のリコールを届け出て、4日から交換などを受け付けることにしています。

リコールの対象となるのは東京の無線機器メーカー「ユピテル」のドライブレコーダー、「DRYーFH200」で、平成24年から25年にかけて販売されました。

各地の消防やメーカーなどによりますと、この製品から出火したことで車が焼けたと見られる火事が大阪府や兵庫県、それに神奈川県で合わせて4件確認されているということです。

けがをした人はいませんが、それぞれの火事について消防などが詳しく調査した結果、このうちことし5月に起きた兵庫と神奈川の2台については、ドライブレコーダーに内蔵された「リチウムイオン電池」から出火した可能性の高いことがわかったということです。

メーカーによりますと、製品はすでに9万台が販売されましたが、電池が「膨張する」とか「熱くなる」といった苦情や相談が100件以上寄せられているということです。

メーカーは詳しい原因は調査中としていますが、利用者の安全を確保するため、経済産業省にリコールを届け出て、4日から回収と交換を受け付けることにしています。
メーカー「深くおわびします」
ユピテル・マーケティング部の石橋篤ゼネラルマネジャーは「ご迷惑をおかけし、深くおわびします。会社として製品の使用リスクを重く受け止め、リコールを決めました。製品を使用しているお客様はすぐに中止してほしい」と話しています。

リチウムイオン電池のトラブル相次ぐリチウムイオン電池のトラブル相次ぐ

携帯電話やパソコンなどに広く使われているリチウムイオン電池をめぐっては、発熱したり出火したりするトラブルが相次いでいます。

このうち、4年前には航空機のボーイング787型機に採用されたリチウムイオン電池からの出火が相次ぎ、787型機はおよそ4か月間、運航停止になりました。

また、去年12月には走行中のJR山手線の車内で、乗客が持っていたリチウムイオン電池使用の充電器から煙が出て、一時運転を見合わせるトラブルになりました。

さらに、ことし6月には大阪のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」の建物の中で、リチウムイオン電池が内蔵された携帯電話の充電器から突然、煙が出て、利用客が避難する騒ぎも起きています。

NITE=製品評価技術基盤機構によりますと、リチウムイオン電池が発火するなどした事故は、昨年度までの5年間に274件に上っていて、このうち75件が火災などにつながったほか、やけどなどのけがをしたケースも4件あったということです。

9月4日 4時49分

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170904/K10011125621_1709040446_1709040449_01_04.jpg