南太平洋のバヌアツでは、アオーバ島の噴火活動が激化し、同国国家災害管理局は24日、警戒レベルを危険度が2番目に高い4に引き上げ、島民に避難準備を指示した。

オーストラリア大陸の北東に位置するアオーバ島は、島のほぼ中央に火口湖を持つ火山島で、約1万人あまりの島民が住んでいる。マナロ・ヴォイ火山では9月に入ってから火山活動が活発化していて、火口湖から盛んに噴気が上昇するのが地球観測衛星の観測画像でも確認されている。 

バヌアツ国家災害管理局(Geo-Hazards Department)は23日、アオーバ島の噴火警戒レベルを危険度が2番目に高い4に引き上げ、溶岩流の危険性が高いエリアに住む島民5000人に避難を指示したほか、残りの島民にも、火山灰が届かないエリアに移動するよう呼びかけた。

防災機関が公表したハザードマップによると、アオーバ島は北東から南西にかけて長さ30キロほどで、爆発的噴火が発生すれば、噴石や溶岩流、火山灰がほぼ島の全域に到達するおそれがある。

最後に大きな爆発的噴火が発生した2005年11月末のことだが、このときの噴火では、住民が帰島できるまで3カ月近くかかった。今回、爆発的な噴火が起これば、噴石の飛来や有害な火山ガスによる災害のほか、酸性雨が降って、農業に影響を及ぼすおそれもあるとして懸念が高まっている。

■国内の火山の現状については、ハザードラボ「火山マップ」をご覧ください。
http://www.hazardlab.jp/?map=volcano

前回の噴火の際には、酸性雨で島のほとんどの草木が枯れたという
http://www.hazardlab.jp/contents/post_info/2/2/0/22084/eight_col_Ambae.jpg
北東から南西に長いアオーバ島。中央に火山湖があり、爆発的噴火が発生すると、広い範囲に火山灰や溶岩流、噴石が到達するおそれがある
http://www.hazardlab.jp/contents/post_info/2/2/0/22084/21761471_1923672771228307_7670109653623278988_n.jpg

配信2017年09月25日 11時47分
ハザードラボ
http://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/2/2/22084.html