暗闇で長時間光る夜光塗料を、安く簡単に作る方法を九州大の研究チームが開発した。従来は時計の文字盤や非常誘導灯など用途が限られていたが、建物の天井全体を誘導灯に変えたり、衣服を光らせたりと使い道が広がりそうだという。3日付の英科学誌ネイチャーで発表する。

 現在の夜光塗料は高価なレアアースが原料で、製造時に1千度以上に加熱する必要がある。研究チームは有機ELなどに使われている2種類の材料を溶かして混ぜ、30分以上光を蓄えられる塗料を開発した。

 新しい夜光塗料は、外から光を受けると太陽電池のように内部で電子が抜けた穴ができる。その後、電子が穴に戻るときに発光する。製造コストは従来の1割程度で、光の色も自由に変えられるという。

 嘉部量太助教は「基本的なメカニズムを解明した段階。発光時間や光の強さには課題は残っているが、解決できれば社会で普及が進むだろう」としている。(杉本崇)

http://www.asahi.com/articles/ASK9X4V1PK9XULBJ007.html
http://www.asahicom.jp/articles/images/AS20171002003814_comm.jpg
http://www.asahicom.jp/articles/images/AS20171002003822_comm.jpg