本の万引きを繰り返していたとされる女が店側の執念によってついに逮捕されました。実はこの女、盗んだ大量の本をあるフリマアプリで売りさばいて大儲けしていたといいます。
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■盗まれた本は813冊 被害額は100万円以上

徳島県小松島市にある書店で事件は起きました。2017年の夏ごろから、書籍が大量に消える事態が頻発したため、万引きによる被害を疑い始めたといいます。

「在庫確認できるので売り上げデータ出てませんので、知らないうちにというか気づいたら盗まれている、なくなっている」(書店の店長)

盗まれた本は近くにある系列店を含めて合わせて813冊、被害額は105万2633円です。

「健康関係、ダイエット関係、女性誌に関する実用書が大半ですね。徐々に徐々になくなっていくという形で…気づいたら全くないような状況でしたね」(書店の店長)

■疑惑の女、その手口とは?

そこで浮かび上がったのが40歳の女の存在。たびたび店を訪れては同じ本を何冊も手に取って店内をうろつくなど、不審な行動が目立っていたといいます。

後からわかった犯行の手口は、女はまずレジでマンガや雑誌などを購入します。会計を済ませた後、目当ての本が置かれている棚へと向かいます。そして、本を手に取るとレジの死角に入り、購入した雑誌が入った袋の中に万引きした本を入れるというものでした。

「警察には相談させてもらったんですけど、それだけだと証拠が足りないというか、あくまでも状況証拠だけなのでグレーだと。ならカメラを入れて犯人の盗んだところをカメラに収めるか、こちらで現認して現行犯で逮捕するか」(平惣 平野直毅専務)

そこで店側は悩んだ末に自らの手で女を捕まえることを決意しました。

7月12日、いつもと同じように女が現れると店は臨戦態勢となりました。そして、女はいつも通りレジで雑誌を1冊だけ購入します。ところがこの後、女は店内を物色するものの、警戒するスタッフの異変を察知したのか、何もとらずに帰ってしまいました。

■「メルカリ」で転売か

それにしても女はなぜ、同じ本ばかりを何冊も盗んで行ったのでしょうか。そこで転売の可能性が浮上しました。

「うちのスタッフの1人が実際にメルカリを利用して、商品を買ったりしてた方がいたんですが、ひょっとしたら盗品をメルカリで販売してるんじゃないかと」(平惣 平野直毅専務)

スマートフォンなどを使って個人で商品を売り買いすることができるフリーマーケットアプリ。店のスタッフが調べてみると、フリマアプリの「メルカリ」で同じ本を何冊も販売しているある出品者がいることがわかりました。しかもそこで売られている本の多くが店から盗まれた本と一致したのです。

「(出品者の発送元の地域が)徳島県という県名は出てくるので、(出品された)商品のラインナップが(店の)在庫が合わない商品と一致したので、ひょっとしたら、これが犯人じゃないかとそこで気づきました」(平野直毅専務)

■疑惑は確信へ

そこで、店側は「出品者から買い戻す」という奇策を講じました。

「実際に注文して送られてきた商品です。送られてきたときと同じ状態なんですけども、犯人の方がラッピングして」(平野直毅専務)

実際に届いた封筒の差出人の欄には「A」という名前が書かれていました。この「A」という名前によって、店が抱いていた疑惑は確信へと変わりました。女が本を購入する際、提示するポイントカード。裏に記載されている名前を店員がしっかりと記憶していました。その名前が封筒に記されていたものと全く同じだったのです。

「実際送られてくるまではあれだったんですけども、こちらがマークしていた人と名前が一致したので、これで間違いないなと」(平野直毅専務)

そして、買い戻した本にはメッセージカードが添えられていました。

「この度はご購入ありがとうございました。またご縁がありましたらよろしくお願い致します」(メッセージカードより)

「腹が立つというか、こちらもまじめに商売しているのが嫌になる」(平野直毅専務)

>>2以降に続く

配信10/3(火) 15:02配信
MBSニュース
http://www.mbs.jp/voice/special/archive/20171002/
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171003-10000001-mbsnews-l27&;p=1