http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171017/k10011180151000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_037

アメリカのトランプ大統領は、イラク軍が対立するクルド自治政府が実効支配してきた油田地帯のキルクークに進軍したことについて「両者の衝突は好ましくなく、アメリカはどちらの肩も持たない」と述べ、アメリカとして、緊張の緩和に努めるよう双方に促す意向を示しました。

イラク軍は16日、クルド自治政府が実効支配を続けてきたキルクークに進軍し、油田や軍事基地などを次々と制圧したのに続いて市街地も掌握したと発表しましたが、一部ではクルド側の部隊と衝突も起き、双方に複数の死傷者が出ていると伝えられています。

こうした中、アメリカのトランプ大統領は16日、記者団に対し、「両者の衝突という事実は好ましくなく、アメリカはどちらの肩も持たない」と述べ懸念を示しました。

また、アメリカ国務省のナウアート報道官は声明を出し、「両者の対立は過激派組織IS=イスラミックステートを打倒するという重要な使命を阻害するものだ」として、対IS作戦で協力してきた両者の間で亀裂が深まることが、ISに有利に働くことにつながりかねないとして懸念を示すとともに、緊張の緩和に努めるよう双方に促しました。

キルクークに進軍したイラク軍にはイランの後ろ盾を受けたシーア派の部隊が合流していたという情報もあり、アメリカとしては混乱に乗じてイランが地域での影響力を拡大することに警戒を強めています。

10月17日 10時51分