釧路の沖合では毎年9月から調査捕鯨が始まり、この時期新鮮なクジラ肉が販売されています。
釧路は昭和27年から10年連続で、クジラの捕獲頭数が日本一の捕鯨の町でした。
現在、商業捕鯨は行われていませんが釧路沖では平成14年から調査捕鯨が行われ、調査が終わったクジラの肉がこの時期、釧路を中心に流通します。
40年近くクジラ料理を提供している釧路市内の居酒屋ではユッケや赤身の刺身、そしてしょうが焼きが人気です。
店主の杉本雅己さんは「釧路沖の生クジラが一番です。たくさん食べてほしいですね」と話しています。
市内の小中学校では、捕鯨の歴史やクジラ肉の食文化などを学ぶ食育として給食にクジラ肉が出されます。
クジラの竜田揚げを食べたこどもたちは「おいしいです」とか「また、いっぱい出てほしい」などと話していました。

生のクジラ肉が手に入りにくい地域でも、つくれる料理があります。
釧路のイタリアンレストランのシェフ、中野目守孝さんは若い人たちでも気軽にクジラ肉を食べてもらおうとメニューを工夫しています。
おすすめするのはカツレツです。
スーパーで売られている肉を解凍してつくります。
クジラ肉は牛肉などに比べて肉質が柔らかいのですが、火を通すとすぐに硬くなってしまいます。
それを防ぐ方法は空のワインのボトルでたたくことです。
叩いて薄くのばすことで、肉の繊維が崩れて硬くなりにくくなります。
ただ、肉用のハンマーでたたくと崩れすぎてしまいます。
塩やコショウなどで下味をつけ、衣をつけて揚げ焼きにしたら完成です。

大和煮の缶詰を使ったクジラ肉の肉だんごもおすすめです。
豚のひき肉とあわせて、つくります。
大和煮には甘辛い味が付いているので、味付けは粉チーズとニンニクだけで大丈夫です。
肉を揚げたあとトマトソースで煮込めば完成です。
中野目さんは「いろいろな料理法で使えて、食べやすくもなるようなおいしい食材です。食卓に並んでおじいちゃんから小さい子まで一緒に食べる姿はよいと思うので、そうなってほしいと思います」と話していました。
釧路沖での調査捕鯨は例年、今月下旬まで行われるので、生のクジラの肉も水揚げに応じて販売されるということです。

配信10月20日 21時03分
北海道 NEWS WEB
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