パソコン内の情報を流出させるコンピューターウイルスを保管したとして、京都府警サイバー犯罪対策課と上京署は31日、不正指令電磁的記録保管の疑いで、東京都江東区の情報セキュリティー会社「ディアイティ」社員の男(43)=川崎市多摩区=を逮捕した。男は、インターネット上の企業情報漏えいを監視する部署の責任者だった。「保管していたが、悪いこととは思っていない」と容疑を否認しているという。

 逮捕容疑は10月10日、勤務先のパソコンを使い、ファイル共有ソフト「Share(シェア)」上に画像や動画、文書ファイルなどを流出させるウイルス3個を保管した疑い。

 府警によると、「アンティニー」と呼ばれるウイルスで、画像データなどを装ったファイルの中に組み込まれていた。シェア利用者がこのファイルをダウンロードするとパソコンがウイルスに感染し、スクリーンセイバーの作動を装ってデータが流出する仕組みという。

 府警の説明では、男のパソコンには、同ウイルス入りのファイル約2千個が保管されていた。府警は、男が故意に情報流出させる狙いがなかったかなど、経緯を慎重に調べる。

 同ウイルスを巡っては、シェアを通じて感染したパソコンから、企業の顧客情報や個人の画像データなどが相次いで漏えいするなど、社会問題となっている。

配信2017年10月31日 23時50分
京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20171031000225