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11月10日 22時39分

東日本大震災の津波で大きな被害を受けた宮城県東松島市に復興祈念公園が完成し、5日、式典を行って犠牲者に祈りを捧げました。

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復興祈念公園は、震災の津波で大きな被害を受けた宮城県東松島市にあるJRの旧野蒜駅を中心に整備されました。

式典では、はじめに参列した人たち全員で海に向かって黙とうしたあと、慰霊碑の除幕式が行われ、この地区を襲った津波と同じ3メートル70センチの高さのモニュメントと、市内で犠牲になったおよそ1100人の名前が刻まれたプレートが公開されました。

母や兄など親族4人を亡くした石森文也さん(52)が遺族を代表してあいさつし、「震災から6年半以上がたちましたが、家族を失った悲しみは忘れられません」と癒えない思いを話しました。

公園の中心となるJRの旧野蒜駅は、震災の記憶を伝える「震災遺構」として保存されることが決まっていて、参列した人たちは、慰霊碑に刻まれた名前を探して、亡き家族に思いをはせるととともに、復興への誓いを新たにしていました。

夫を亡くした70代の女性は「名前が刻まれたことで、夫が生きていた証のように思えてありがたいです。心のよりどころになります」と話しました。

4歳と1歳の子どもと参列した30代の女性は「母と兄を亡くしました。町の様子は変わってしまいましたが、子どもが大きくなったら震災前の野蒜のことも伝えたい」と話していました。

岩手の仮設住宅の住民1万人下回る

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岩手県内で、東日本大震災によって仮設住宅での生活を余儀なくされている人は、震災後初めて1万人を下回ったことが県のまとめでわかりました。

岩手県は内陸部でも災害公営住宅の整備を急ぎ、仮設住宅からの転居を加速させたいとしています。岩手県は7日、震災からの復興事業などについて、ことし9月末までの進ちょく状況を公表しました。

それによりますと、震災の年に、最大でおよそ4万4000人いた仮設住宅の入居者は9181人となり、初めて1万人を下回りました。

これは、災害公営住宅の整備が進んだことが大きいと見られ、沿岸部で計画されている5569戸のうち、およそ9割が完成したということです。

また岩手県は、盛岡市や一関市など内陸部の6つの市でも災害公営住宅を303戸整備する計画で、このうち盛岡市の24戸が今年度中に完成する予定です。

岩手県は、内陸部でも災害公営住宅の整備を急ぐことで、仮設住宅からの転居を加速させたいとしています。岩手県復興推進課の酒井淳推進協働担当課長は「仮設住宅の入居者が恒久的な住宅に早く入れるよう、意向を尊重しながら、スピードアップを図りたい」と話しています。
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