動画投稿サイトに授業動画を投稿、人気を呼んでいる山崎圭一さん
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動画投稿サイト「ユーチューブ」に、日本史や世界史の授業動画を投稿し、全国の受験生に人気になっている福岡県の公立高校教諭がいる。山崎圭一さん(41)=同県志免町。現役教諭が授業動画を投稿するのは珍しく、山崎さんの動画チャンネルを登録する人は約1万5千人、再生回数は700万回を超える。インターネット上で「ムンディ(ラテン語で「世界の」)先生」と呼ばれる山崎さん。「若手の社会科教諭にも、授業の参考にしてほしい」と話す。

 《歴史の転換点の話をしたい。ここでは米国がどんどん繁栄し、恐慌に転落する姿を見ていきたいと思います》

 1929年の世界恐慌について解説する動画。山崎さんが黒板に向かってチョークで書き込み、カメラに向かって説明する。教室のように見えるが、自宅の一室。撮影のために改装した。

 山崎さんが動画を撮り始めたのは3年前。人事異動で高校を転任する際、世界史を教えていた2年の生徒から「転任後も先生の授業を受けたい。せめてユーチューブで流して」と相談されたのがきっかけだった。「『教育は人なり』で、受験前に先生が代わるのは、子どもたちにとって大変なこと。授業動画という手があったかと思いました」

 動画一本当たり20分〜1時間程度。最初は世界史だけだったが、その後、日本史、地理と増やしていった。その数、538本。最近は授業だけでなく、勉強法や大学受験への心構えなどを説く「ホームルーム」の動画も投稿している。

 授業動画を巡っては、大手予備校や通信教育会社が力を入れ、有料で配信しているが、山崎さんはあくまで個人で、無料にこだわっている。根っこにあるのは「子どもたちに学習の機会を均等に与えたい」思いだ。

 「教員の配置や教育課程の都合で生徒が興味に合った科目を選択できず、学習の機会が失われている。先生にも見てもらって授業の参考にしてほしい」と話している。

配信2017年11月19日 06時00分
西日本新聞
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/374414/