選挙カーの名前連呼、効果どれほど? 教授が実際に研究
2017年11月26日 14時45分 朝日新聞デジタル
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 衆院選が終わって1カ月になります。

 選挙中は街を歩いていると時折、候補者の名前を連呼する選挙カーを見かけました。以前から思っていました。
「そもそも選挙カーで候補者名を繰り返し言うことで、有権者の投票に結びつくのか」。実際に研究した大学教授に話を聞きました。

■「集票には効果」論文に

 研究を主導したのは、関西学院大学の三浦麻子教授(48)=社会心理学=です。候補者の選挙活動が、有権者からの好感度や投票にどう影響するのかというテーマで論文を書いています。

 三浦教授はこう指摘します。「選挙カーによる連呼を聞いても、候補者の好感度は変わりません。ただ、集票には一定の効果があります」

 三浦教授ら関学大の調査グループは、2015年の赤穂市長選で立候補した3人のうち、1人の男性候補者に「密着」しました。
大学院生がこの候補者の選挙カーに1週間同乗させてもらい、10秒ごとの位置情報に加え、連呼の有無を含む選挙カーの移動や、街頭演説、個人演説会などの活動内容を分単位で記録しました。 

 また、無作為に選んだ有権者2千人に住所や投票先、各候補者の好感度などを尋ねる調査用紙を送付。約900あった回答から、候補者の選挙活動がどのような影響を与えるのかを分析しました。

 その結果、選挙カーが自宅のそばまで来た人が、この候補者に投票した割合は平均の約2倍になったそうです。1キロ以上離れた場所の人の場合は、約6分の1にとどまりました。