弾道ミサイルを発射 高度「過去最大級レベル」
毎日新聞2017年11月29日 05時52分(最終更新 11月29日 05時54分)
https://mainichi.jp/articles/20171129/k00/00e/010/188000c

 政府は29日、北朝鮮が午前3時18分頃、北朝鮮西岸から弾道ミサイルを発射し、約53分間にわたって約1000キロ飛翔した後、午前4時11分ごろに青森県西方約250キロの地点の日本海の日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したと発表した。小野寺五典防衛相は記者団に「高度は4000キロをはるかに超える過去の最大級レベルの高さで、かなりの能力をもった大陸間弾道ミサイル(ICBM)と考えられる」と語った。

 政府は発射を受け、菅義偉官房長官、河野太郎外相、小野寺氏が首相官邸で情報収集に当たった。高角度に撃ち上げ、飛距離を抑えるロフテッド軌道とみている。小野寺氏は「多弾頭の可能性もあり、しっかり分析したい。いまのところ対外的には1発と判断している」と語った。北朝鮮による弾道ミサイルの発射は北海道・襟裳岬の東約2200キロの太平洋に着水した9月15日以来。

 菅義偉官房長官は午前4時ごろ、緊急の記者会見を開き「度重なる挑発行為を断じて容認することできず、北朝鮮に厳重に抗議した」と強調。「拉致、核、ミサイルといった諸懸案を解決することなしに北朝鮮に明るい未来はない。北朝鮮に政策の変更を強く求めた」と語った。安倍晋三首相は菅、河野、小野寺の3氏と麻生太郎副総理兼財務相を交えた国家安全保障会議(NSC)を開催する方針で、政府は具体的に情報収集を急ぐ。【秋山信一、松倉佑輔】