奈良県明日香村で国内最古級とみられるため池の遺構が見つかり、奈良文化財研究所が29日、発表した。
6世紀前半に造成し、7世紀後半には、幹線道路の整備に伴って埋められたとみられ、研究所は「飛鳥時代に大規模でめまぐるしい土地利用の変遷があったことを示す発見だ」としている。

研究所によると、古墳時代後期に谷地形で沼地だった場所を広げ、ため池を築造。水生植物の死骸が出土しており、かんがい目的で貯水していたとみられる。
深さは最大約2メートル。166平方メートルの調査区全面がため池だったが、規模は不明で堤跡は見つかっていない。

飛鳥時代前半に増設されたとみられる決壊防止用の排水溝の跡も確認された。

ため池の遺構の北側では、飛鳥時代中ごろに整備された幹線道路「山田道」の南側の溝とみられる遺構も確認された。
整備後の飛鳥時代後半にため池は完全に埋められ、埋め立てに用いた土から「珠流河(駿河)」などと書かれた荷札木簡が6点出土した。


産経WEST 11月29日 21:59
http://www.sankei.com/west/news/171129/wst1711290080-n1.html