朝鮮半島が先かどうか議論はさておき、そもそも稲作が
アプリオリに素晴らしいものなのか、狩猟採取よりも優れて
いるものなのか、という話をしたい。

結論から言うと、狩猟採取社会は養える人口は少ないが、
多種多様な食物を採取しているから飢饉に対して強い。
農耕社会はその逆で、通常年は多くの人口を養えるが、
いったん天候不順になると一気に人口が減る。その過程で
大きな戦争が起こる。

明治政府が北海道のアイヌに対し土地を与えて農業指導を行ったけど、
受け入れたのはわずかだった。それは彼らが無知だったわけでも
怠け者だったわけでもなく、違う文化に属していただけのことなのだ。

てなわけで、農業の開始時期をむりやり縄文時代にまで引き上げるのは、
ある種の人たちにとって心地良いのかも知れんけど、あんまり
意味のある議論には見えないよなあ。