厚労省の発表資料によると、2002年以来、東京、神奈川、山梨、愛知、福岡、大分などの都道府県で、
医療機関から報告を受けただけで20件の呼吸困難、意識混濁、幻覚、吐き気、めまい、肝機能障害などの事故があり、うち4人が急性心不全などで死亡している。

現地タイでは医師が、患者の肥満度に応じて薬を処方、段階を追って薬の量や強さを調合するが、
日本では薬の説明書に書いてある体重・身長と薬の量・強さの対照表を見ながら、購入者が自己流で飲んでいるのが実情だ。
しかも、日本では認可されていない成分が多く含まれている。
例えば、「シブトラミン」という薬剤はもともと抗うつ薬として開発されたが、強い食欲抑制効果があり、ダイエット薬として注目された。
しかし、血圧上昇、心拍数増加、頭痛などの副作用が強いため、日本では承認されていない。

■ 覚せい剤と同じ働きをする成分が

また、「マジンドール」は日本で認可されているが、合成覚せい剤成分のアンフェタミン類と似た働きをする。主に深刻な肥満症患者の治療に使われる向精神薬で、投薬には医師の処方が必要だ。
脳の中枢神経に作用し、満腹感を与えることで食欲を抑えるが、呼吸困難、胸痛、失神、抑うつ、幻覚、けいれんなどの副作用も伴うので、自己流で服用するのは危険だ。

東京都は発表資料の中でこう呼びかけた。

(1)現在、「MDクリニックダイエット」や「ヤンヒーダイエット」を服用している人は直ちに中止し、医療機関を受診する。
(2)個人輸入した製品の中には、危険な成分が含まれているため、すでに服用している他の医薬品との作用で、重大な健康被害を起こす可能性がある。
(3)個人輸入した医薬品を他人に販売、投与することは違法である。
(4)MDクリニックダイエット関係個人輸入サイト(所在地:タイ)について、厚生労働省に削除要請を行なった。

しかし、J-CASTヘルスケアが調べると、2017年12月4日現在、MDクリニックダイエットの個人輸入サイトはオープンしている。