被爆者が描いた絵画の展覧会 フランス
12月9日 8時16分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171209/k10011252481000.html

広島と長崎の被爆者たちが、原爆が投下された当時の様子を描いた絵画の展覧会がフランスで始まり、訪れた人は真剣な表情で1つ1つの作品に見入っていました。
パリ近郊の国立公文書館で8日に始まった展覧会では、広島市の平和記念資料館と長崎市の原爆資料館から借り受けた被爆者が描いた絵画のレプリカ合わせて200点が展示されています。

このうち、当時、中学2年生だった男性が描いた作品には、原爆によるすさまじい光と爆風で家や壁などが吹き飛ばされる光景が描かれています。
また、当時37歳だった女性が描いた作品では、原爆投下の翌日に、橋の上から川に浮かぶ遺体を見つめながら自分の子どもを必死に探す女性の様子が描かれています。

このほか、原爆投下後の広島を生き抜く少年を描いた漫画「はだしのゲン」をフランス語に翻訳したものも展示されていて、訪れた人は真剣な表情で1つ1つの絵画や展示に見入っていました。

訪れた女性の1人は「文字による証言とは違う切り口で、私たちに当時、何が本当に起きたのかを教えてくれます」と話していました。

展示を企画したフランス人のベルナール・エスマンさんは「原爆が投下された際に、人々がどのように生きていたのか、フランスの人々に理解してもらいたい」と話していました。

展覧会は来年3月31日まで開かれます。