極秘データ誤送信で、談合ばれた―。松戸市は20日、市発注公共事業(予定価格1587万円)の入札で談合があったとして、関係した造園業の4社を最も重い9カ月の指名停止処分にした。談合の“仕切り役”だった業者が、他の3社の応札額を記した極秘データを記載したまま市に添付資料として送信。当初は市の調査に4社とも談合を否定したものの、仕切り役の業者がミスに気付いて観念。最後は3社も認める前代未聞の「談合発覚事件」となった。

 指名停止処分を受けたのはいずれも同市の造園業者で、小山ガーデン(小山一孚社長)、石川園(石川貴一朗社長)、斉藤緑地建設(斉藤京子社長)、新松戸造園(松戸栄社長)。指名停止期間は市の規定で最も重い9カ月で、同日から来年9月19日まで。契約前に発覚したため、市は刑事告発しない方針。

 市が発注したのは、常盤平サクラ通りなど6カ所の桜やツツジを植え替える公共事業。市内業者を対象にした制限付き一般競争入札で、11月27〜29日に電子入札システムで受け付けた。

 応札業者は、入札書に金額の根拠となる工事費内訳書を添付して送信。ところが、小山ガーデンの書類には自社分と、会社名の記載がない3社分の内訳書も添付されていた。

 同内訳書は、応札した別の3社の書類と一致。事前公表の予定価格、1587万円に対し、小山ガーデンは96・72%にあたる1535万円の札を入れ、残る3社は1550〜1543万円で応じていた。

 市は今月7日、関係する業者を個別に事情聴取。当初は4社とも談合を否定したが、証拠の内訳書を示されると小山ガーデンの担当者の表情は一変。「手持ちの仕事がすいてきたので取りたかった」と談合を白状。他の3社も「断り切れなかった」と認めた。

 あからさまな談合事件を受けて、市は造園業者が関係する入札予定だった別の9件について手続きを停止。応札者に誓約書と、詳細な工事費内訳書を提出させて、年度内にやり直す。

 同市の宮間秀二財務部長は「談合の発生は大変遺憾。再発防止、談合根絶に向け、信頼される入札制度にする」と厳しい姿勢を示した。

配信2017年12月20日 20:08
千葉日報
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