全国農業協同組合連合会兵庫県本部(JA全農兵庫、神戸市中央区)の直営レストラン「神戸プレジール」本店が、神戸ビーフと偽って異なる商品を提供していた問題で、弁護士らで構成する調査委員会は27日、偽装が料理長により2011年10月から今年10月15日まで行われたとする報告書を公表した。「神戸ビーフフィレ」と偽って提供した「但馬牛フィレ」は推計約950キロ、約9500食分に上る。

 報告書は、料理長が肉の仕入れからカットなど一連の作業を単独で行うなど“聖域化”し、同本部の管理が不十分だったと指摘。人気とともに神戸ビーフフィレが不足して偽装が常態化したという。調査に対し、料理長は「肉屋なのにフィレがないと言えなかった」「客を喜ばせたいという思いで罪悪感はなかった」などと答えた。料理長が客を選別し、神戸ビーフを提供することもあったという。

 同委員会は、料理長1人に任せきりにして、内部通報制度も機能しなかったことを問題視。JA全農に改善を求めた。曽輪佳彦本部長らがこの日、神戸市内で会見し謝罪。「チェックするシステム、体制を万全に整えたい」と話した。

 同本部は利用客などに確認し、これまでに684件約2千万円を返金。来月上旬にも関係者の処分を決めるという。(辻本一好)

配信2017.12.27
兵庫経済プラス
https://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/201712/0010853527.shtml