12月20日、AED(自動体外式除細動器)に関するTwitterの投稿が話題になりました。

“AEDを使用する際服を脱がすわけですが、社内アンケートの結果「男性にされたらセクハラで訴える」という女性社員が多かったため、女性社員が倒れていたときの救助活動一切を女性にさせ、男性しかいないときは女性を呼び出すか、契約書に本人の署名をしてもらってから救助する。という会社に遭遇した。”

この投稿は瞬く間に、拡散。
見た人からは「訴えられるから、女性が倒れてても救助しない」「すぐにセクハラで訴えられて怖い時代だ」などのコメントが寄せられました。

AEDは突然心臓が止まった時などに、電気ショックを与えて心臓の動きを復活させる機械です。AEDの電極パッドを衣服の上から使うと、衣服が燃えてしまう可能性があるため、直接肌につける必要があります。
そのため女性にAEDを使う場合、衣服を脱がす・切るなどして胸をはだけさせる必要があります。

先の投稿では、AEDを使った救助行為を「セクハラとして訴えられる」とまとめていました。しかし12月22日に、投稿者はこの投稿が創作であることを明らかにし、謝罪しています。

ちなみに、救助の中で胸をはだけさせる行為は命を救うためにはやむを得ないため、セクハラにはなりません。(ただし、周囲の人と協力し、壁を作るなど一定の配慮が必要です)

つまり先にあげた投稿は結果的に「AEDに関する間違った認識を広めるデマ」ということになります。

■定番となっている「AEDセクハラデマ」

実はAEDセクハラデマはネット上で定期的に発生する、定番ネタになっています。
そのため「今回の投稿者が悪い」で片付けてはいけない話です。

話の細部は変わりつつ「AEDを使うために女性を裸にしたら警察を呼ばれた」と言った共通のストーリーで、最後は「女性は助けない方がいい」「すぐセクハラ認定されて男は辛いよ」と言った結論になります。

前述したように「救助として適切な行為」はセクハラに当たりませんので、こうしたデマは適切な人命救助を阻害する間違った認識を広げていることになります。本来助かるはずの命が、こうしたデマがきっかけで救われないのだとしたら、とても悲しいことです。

かくいう私もAEDの使い方は「なんとなく」でしか理解していませんでした。これをキッカケに、改めて適切な使用方法を予習すると、いつか誰かの命を救うことになかもしれません。

■デリケートな問題を、デマによる偏見で考えない

さらにこうしたデマでは「セクハラ」に関する偏見を助長することにもなります。「何かあると男はすぐにセクハラで訴えられ、社会的に抹殺される」という意見です。

実際「痴漢冤罪」などの事例もあるため、こうした懸念を抱く人がいるのも理解はできます。ただし、今回の事例は、「作り話」であり「デマ」です。

セクハラの告発は冤罪を生む可能性もあるため、本来とてもデリケートな事象です。
セクハラを野放しにしてはいけませんし、かと言って冤罪を容認するわけでもありません。どちらも発生させないために、丁寧かつ慎重に考えなければいけません。
だからこそ、デマを基に考えてはいけないのです。
デマを信じてはいけないのです。
デマを容認してはいけないのです。

現在、女性がセクハラを告発する#MeTooというムーブメントが広がっています。
このムーブメントも、セクハラが抱え持つ構造について本質的な問題点が広く認知されないと、定着せずにただのブームで終わるでしょう。だからこそ、丁寧かつ慎重な議論が必要です。

SNSで広がる#MeTooムーブメント 告発者バッシングに転化させないために考えたいこと モバプリの知っ得!

AEDのデマに類似したデマを信じ、間違った「セクハラ感」を築いた人もいるかもしれません。

>>2以降に続く

配信2017年12月31日
琉球新報STYLE
https://ryukyushimpo.jp/style/article/entry-639820.html

関連過去スレ
「問題提起のつもりだった」 男性社員がAEDを使用した場合「セクハラで訴える」との女性社員が多数との投稿 実際は全くのデマだった★4
http://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1514080092/

★1が立った時間 2018/01/02(火) 11:33:16.34
前スレ
http://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1514868936/