過去の参院選の推移
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昨年10月の衆院選で各党が獲得した比例代表票を基に産経新聞が平成31年夏の参院選を試算すると、勝敗を左右する全国32の「1人区」で野党が無所属の看板で候補者を一本化したら、前回(28年)を上回る17の選挙区で自民党に勝利することが分かった。逆に自民党は改選66議席を維持できず、非改選と合わせても単独で定数242の過半数を割り込む。国政選挙の連勝が安倍晋三首相の最大の原動力だが、次期参院選の行方は潮目が変わるきっかけになる可能性がある。

 試算は(1)「自民・公明両党」と「立憲民主、希望、共産、日本維新の会、社民の野党5党」(2)「自民・公明両党」と「日本維新の会を除いた野党4党」−のそれぞれの構図で一騎打ちとなる想定で行った。民進、自由両党は先の衆院選で公認候補を擁立しなかったので含まれない。

 その結果、野党5党の合計得票は宮城、福島、長野、大分など17の1人区で自民、公明両党の合計得票を上回り、自公が野党5党を上回ったのは15だった。共産党との共闘に強い抵抗感がある維新を除いた野党4党になると、前回参院選の11よりも1つ多い12にとどまる。それでも、青森を除く10の1人区では前回に続いて野党が連勝し、非改選組を含めて自民党議員がゼロになる。

 必ずしも試算通りになるとはかぎらないとはいえ、野党候補が乱立して政権批判票が分散し、自民党に大勝を許した昨年の衆院選の二の舞いを避けるには、候補者一本化が前回参院選に続いて有効な対抗策になり得ることが改めて浮き彫りになった。そこで野党が、「野合」との批判を浴びるのを避けるため、無所属で候補者を一本化できるかどうかがカギを握る。

 また、試算では5つの3人区で維新を除く野党4党による合計得票が北海道、埼玉、千葉で自公両党を上回った。野党系無所属候補が2人出馬すれば、3議席目を公明や維新としのぎを削る展開もあり得る。2人区は静岡と京都で自公両党を上回り、自民の2議席独占は一層難しくなる。

配信2018.1.9 05:00更新
産経ニュース
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