大阪府寝屋川市の住宅の隔離された小部屋で柿元愛里さん(33)が衰弱死した事件。愛里さんは小学6年生の1月から学校を休み、中学校には1日も通っていなかった。長期欠席中の児童生徒に学校側はどう対応したのか。同級生は愛里さんの「異変」に気づき何度も担任に訴えていた。市教育委員会は「当時の資料がなく、検証は難しい」とするが、来月には再発防止策を話し合う考えだ。

 捜査関係者や同級生によると、愛里さんは17歳になった2001年に複数の病院で統合失調症と診断され、02年ごろから自宅内のプレハブの小部屋に隔離されて生活。昨年12月、衰弱死した。会社員の父泰孝容疑者(55)と母由加里容疑者(53)が同月、府警に死体遺棄容疑で逮捕され、今月2日に監禁や保護責任者遺棄致死容疑で再逮捕された。両容疑者は「小6ごろから体調が悪化した」「暴れるので閉じ込めた」と供述しているという。

 さらに、自宅内に設置された監視カメラの映像などから、愛里さんはプレハブの部屋に入れられる前から複数の小部屋に閉じ込められ、小6から中学生のころには隔離状態が始まっていた可能性も浮上している。

 当時の同級生らは、愛里さんの「異変」を心配し、学校に指摘していた。

 「なぜ、学校に来ないの? 家で何か起こっているのでは」。小6で同じクラスだった男性(33)は、担任教師に何度も尋ねたのを覚えている。担任は「事情がある」と言うばかりで、詳しくは教えてくれなかった。男性の発案でクラス全員が愛里さんに手紙を書いたが、返信はなかったという。「もっと行動に出ればよかった」と悔やむ。

 小5から同じクラスだった女性…1716文字/全文:2388文字

配信 2018年1月11日11時34分
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