茨城県つくば市で昨年10月、母子が死傷したひき逃げ事件で、自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死傷)と道交法違反(ひき逃げ)などに問われたつくばみらい市紫峰ヶ丘、電気工事業鈴木賢一被告(34)の初公判が15日、水戸地裁土浦支部(榊原敬裁判官)であった。

逮捕時に容疑を否認していた鈴木被告は、起訴事実を認め、事故原因について「カーナビを見ていた」などと説明した。

起訴状などによると、鈴木被告は昨年10月20日午後6時35分頃、つくば市研究学園の市道交差点で、母親(32)と手をつないで横断歩道を渡っていた保育園児の和田天馬ちゃん(当時3歳)をはね、そのまま逃げたとされる。天馬ちゃんは約2時間後に死亡し、母親も重傷を負った。

検察側は冒頭陳述で「(鈴木被告は)事故現場にさしかかるまでカーナビの画面を見ていて被害者の存在に気づかず、衝突まで減速しなかった」と主張。家族に促されて同月28日に出頭するまで、県内外を逃げ回り、その間も妻に警察の事情聴取に対する返答例を教えていたと説明した。

被告人質問で母子を助けずに立ち去った理由を問われた鈴木被告は「出頭しようと思っていたが、報道でお子さんが亡くなったことを知り、決心がつかなくなった」と釈明。「とりかえしのつかないことをした」などと淡々と謝罪の言葉を述べた。次回の公判は2月23日午前10時から行われる。

2018年01月16日 10時48分
YOMIURI ONLINE
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