シェアハウスの建設・管理を行うサクトインベストメントパートナーズ(東京都中央区・以下、サクト)に対し、同社から被害を受けたと主張する団体『SAKT IP被害者支援室(以下、サクト被害者の会)』が4月に設立し、メンバーが12月5日時点で130人に達した。今年2月から家主へのサブリース家賃の振り込みが止まり、再開のめどが立っていない。

ウェブサイト設立メンバーは130人
「騙されたかもしれない。どうなっているのかわからない。事実を教えてほしい」。悲痛な叫びが現在、サクト被害者の会の代表を務める千葉拓哉氏のもとへ最初に寄せられたのは、2017年1月末のことだった。
千葉氏は3社の不動産会社で顧問を務め、資産構築コンサルタントを生業としている。

サクトは購入した土地にシェアハウスを建設し、同社がサブリースで30年間の家賃保証をするビジネスモデルで事業展開をしていた。主にターゲットとしていたのは大手企業に勤めるサラリーマンや医者などだ。同社でシェアハウスを建築しサブリースしていたが、千葉氏によると家賃の振込が2月から止まったという。

千葉氏は、他にも被害者がいるのではないかと考え被害者のためのウェブサイトを立ち上げたところ、同様の被害を訴えるオーナーが8カ月で約130人集まった。そのうち、30人ほどは建物が建築されないまま、土地を購入した際の借入の利息を銀行に払い続けている状況だという。契約した家主は着工の際に発生する支払い、上棟の際の支払い、竣工時の支払いと4回に分けて支払う契約だが、千葉氏は家主からサクトへの建築費支払いを一度ストップさせ、現状の把握に乗り出している。

調査を進めていくと、相談者が購入した物件のほとんどは、土地と建物を合せ、周辺相場とくらべて倍の価格で売られていた。しかし、契約を交わした後に振り込まれるはずの家賃分が、2月を境に支払われずに音信不通になってしまったことが判明。130人のシェアハウス事業へ融資総額は300億円にのぼるという。
サクト被害者の会は今後、サクトの代表に対する損害賠償請求をすること、販売に関わった会社に対する、共同不法行為についての追及などを進めていく。
実際にサクトでシェアハウスを購入した投資家はサクトの販売手法をこう語る。

1棟の仮契約後に2棟分の販売決定
サクト被害者の会に所属するA氏は、当時の年収700万円台で30代の大手企業社員。A氏がサクトから収益物件を購入するきっかけになったのは、13年の5月に、高収入の転職を支援する会社B社の社員と異業種交流会で知り合ったことだった。「投資に興味がないか」と聞かれ、8カ月後の14年1月から本格的に投資話を持ちかけられた。不動産投資の経験者だというB社のC社長を紹介され、D会長とも不動産投資セミナーを通して知り合い、何度も会合するようになった。

話が購入に向けて本格的になりだしたのは5月下旬からだった。「利回り10%、30年間を絶対に維持する」「ひとつの物件で利益が出なくても、ほかに利益が出ている物件から家賃を補てんするので安心」「コンセプト型のシェアハウスにして、高い入居率を確保していく」などの説明を受け、紹介されたのがサクトだった。
6月、C社長とD会長とA氏の3人の会合に、サクトの大森啓太郎社長と社員のK氏が現れた。
大森社長が持参したチラシには、都内の新築で10%近い利回りをうたうシェアハウスが紹介されていた。「ノーリスクでずっと保証する」「銀行の融資が緩くなっている今しかない」と言ったせりふで後押しされ仮契約を結んだ。

仮契約を結びあまり日を置かず、「奇跡が起きた。銀行が2棟分の融資を決定した」とD会長から6月中旬に連絡がきた。2物件とも30年間の家賃保証をうたっている。東京都足立区と葛飾区に立つそれぞれ1棟10戸程度のシェアハウスで、価格は2棟で土地も含めて2億円。利回りは8%以上となっていた。融資を決定したのはE銀行のF支店。契約当日の2日前にはD会長から「E銀行の担当者に接待を受けた。絶対に来るように」と念を押す連絡まで入る周到ぶりだった。

6月下旬の契約当日、A氏は手持ちの銀行通帳と源泉徴収票、身分証を持って、口座を持つ銀行で最新の取引情報を記帳してから車で大森社長とE銀行のF支店へ移動した。
F支店にはすでにサクトのK氏がいた。K氏はA氏に「銀行とはすでにすべて話がついている。安心してほしい」と話した。そして、通帳をコピーするので貸してほしいと言うので、記帳したばかりの通帳をK氏に渡した。

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続きます
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