http://bunshun.jp/articles/-/5925?page=1

2018/01/19
林 綾野
 1583年、神聖ローマ帝国の首都はウィーンからプラハへと移された。時の皇帝はルドルフ2世。政治に関心を持たず、文化・芸術・科学に入れこみ、錬金術にどっぷりはまったことでも知られる男だ。

 宮廷には天文学者のケプラーなど優秀な人材が集められた。大航海時代幕開け間もないこともあり、未知の世界から新種の動植物や珍品が集結。芸術品、科学機器、さらにユニコーンの角と信じられたイッカクの牙なんていう眉唾な品まで皇帝の収集室にはあらゆるものが並んでいた。

 展覧会ではアルチンボルドなど彼が愛した芸術家たちの作品や工芸品を中心に「驚異」と称されたその世界がいかなるものだったかを展観する。

 美しいものから異様なものまで遍(あまね)く愛したルドルフ2世。美食家で150キロも体重があったなどの伝説もある。彼はいったいどんな人物だったのか? 想像を巡らしながら展示を楽しみたい。

INFORMATION
『神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展』
〜3月11日 Bunkamura ザ・ミュージアム 休館日(2月13日)
http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/18_rudolf/
3月21日〜5月27日 佐川美術館
http://www.sagawa-artmuseum.or.jp/plan/2017/11/2.html