日本各地の“ご当地鍋”が集まり、味を競い合うグルメイベント「ニッポン全国鍋グランプリ2018」が埼玉県和光市で開かれた。2日間で計約14万2千人が訪れ、投票の結果、日高町の名物・天然クエを使った「本場和歌山県日高町の天然クエ鍋」が初めて優勝した。関係者は喜びとともに、町のPRにつなげようと意気込んでいる。

 同イベントは、日本の優れた「鍋文化」を発掘し、地域活性化につなげようと、和光市商工会が中心となり平成17年から開催され、今年で14回目を迎えた。今回は、北海道から熊本県まで過去最多の24道県62チームが参加。各地自慢の鍋が提供され、来場者による投票で争われた。

 和歌山県からは、28年大会で3位と苦杯をなめた同町の天然クエ鍋が2年ぶり2回目の参戦。同町商工会を中心に約20人が鍋の炊き出しなどを行った。

 大会に向けて、約270キロ、2千食分のクエを用意。具材はクエの身やアラのほか、白菜や豆腐などを入れて、水炊き風に仕上げた。「企業秘密」という試行錯誤を重ねて作ったオリジナルポン酢も使用した。会場では、1杯500円で提供し、ブース前には長蛇の列ができるほどの人気。2日間とも完売したという。

 来場者による投票では、開催地の和光市から参戦した28年大会優勝の「牛すじシチュー鍋」と一騎打ちとなり、優勝を果たした。過去の同イベントで優勝した鍋などがさらに競い合う2020年に開催予定の「グランドチャンピオン大会」でも優勝を狙う。

 クエを目当てに観光客でにぎわう同町の商工会担当者は、「今まで『クエの町』としてこだわってきたことが認められた。日本一を機に、より気を引き締めて、町のPRをしていきたい」と意気込んでいる。

2018.1.31 09:38
産経WEST
http://www.sankei.com/west/news/180131/wst1801310023-n1.html