◆コンビニ恵方巻「大量廃棄」問題の解決が難しい事情

クリスマスケーキや恵方巻――。流通・食品業界で毎年繰り返される「食のイベント」。
その裏では、大量の食品廃棄が出て問題となっている。
特に近年、コンビニチェーンによって全国的に普及した恵方巻は、生モノだけに廃棄も多いといわれる。
なぜ大量のロスが生じるのか。少しでも減らす方法はないのだろうか。(食品ロス問題専門家、消費生活アドバイザー?井出留美)

■昨年の節分にはSNSで大量に売れ残った恵方巻が話題に

昨年2016年2月3日、フランスでは、大手スーパーの売れ残り食品廃棄禁止という、世界初の法律が成立しました。
奇しくも同じ日の「節分の日」、TwitterなどのSNS上では、深夜になっても大量にコンビニエンスストアの店頭で売れ残る恵方巻の写真が投稿され、フランスの動きと対比されました。

なぜなら、深夜に大量に売れ残った恵方巻は、生モノであるため、やがて廃棄処分されるしかないと容易に想像できるからです。
実際、大量に廃棄された恵方巻の写真も多く投稿されていました。

今年も「節分の日」を迎えました。
各スーパーやコンビニの店頭には、恵方巻が並ぶことでしょう。

恵方巻の由来は諸説ありますが、その年の恵方(干支にちなんで良いとされる方角)を向いて無言で丸かぶりすると幸運が巡る、などとされています。
先日、買い物のために行った近所のスーパーでは恵方巻の予約チラシが置かれていました。
コンビニではどうなのか?

例えば、セブン-イレブン・ジャパンでは、長期保存できるパウチ総菜を販売しています。
総菜といえば日持ちがしない食品の一つですが、食品包装の技術や製造技術の改良により、賞味期限延長が可能となったものです。

食品業界の商慣習である「3分の1ルール」(賞味期限を3で割り、最初の3分の1を納品期限、次の3分の1を販売期限とするもの。
参照:「卵は常温で2ヵ月保つ!大量の食品廃棄を生む賞味期限のウソ」)についても、ロス削減に向けて緩和したと公式サイトにあります。

首都圏のコンビニ14店舗をまわってみたところ、うち11店舗はポスターやチラシで予約販売が告知されていました。
(調査時期:2017年1月19〜22日、調査店舗のうち告知があった店舗:サークルK 上大崎二丁目店、まいばすけっと上大崎2丁目店、ファミリーマート目黒三田通り店、ファミリーマート目黒駅北店、ファミリーマート虎ノ門愛宕下通り店、ファミリーマート川口駅東口店、セブン-イレブン川口駅北口店、ローソン川口栄町店、セブン-イレブン川口幸町店、ファミリーマート川口幸町二丁目店、セブン-イレブン渋谷宇田川町北店)

■期待はすぐに打ち砕かれた

「これは売れ残りの食品ロス削減のための施策ではないか」――。
そう思った私の期待はすぐ打ち砕かれました。

実際に、コンビニ各社のお客様相談室を通して担当部署の方に伺ったところ、どの企業の答えも概ね「予約販売はロス削減のためではない」とのことでした。
あるスーパーの方にも同じ質問をしたところ、同様の答えでした。

そのスーパーでは、恵方巻全体の売上高のうち、予約販売が10%を占めるそうです。
毎年の「催事として集客を目的とする」ほか、「売上高のベースを固めておきたい」、「お客様の来店理由にもなり、“ついで買い”も見込めるから」とのことでした。
コンビニ各社の予約販売の目的もほぼ同様のようでした。

私がコンビニの予約販売をてっきり「食品ロス対策だろう」と早合点してしまったのには、理由があります。
コンビニの大量廃棄が取り沙汰されますが、実はデータを確認すると、コンビニ各社の食品廃棄物発生量は10年前と比べると減少傾向にあります。

例えば、セブン-イレブン・ジャパンでは、長期保存できるパウチ総菜を販売しています。
総菜といえば日持ちがしない食品の一つですが、食品包装の技術や製造技術の改良により、賞味期限延長が可能となったものです。

ダイアモンドオンライン 2017.2.3
http://diamond.jp/articles/-/116585
http://diamond.jp/articles/-/116585?page=2
http://diamond.jp/articles/-/116585?page=3
http://diamond.jp/articles/-/116585?page=4

■関連スレ
【食品ロス】節分 恵方巻き、早くも大量廃棄 店頭に並ばないケースも… ★7
https://asahi.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1517701793/

※続きます