■狂鹿病CWDってどんな病気?

 シカの脳みそがスポンジ状になってしまう奇病「慢性消耗性疾患(CWD)」。BSE(いわゆる狂牛病)や、人がかかるクロイツフェルト・ヤコブ病などと同じ種類のこの病気が、北アメリカのシカたちの間で流行している。

でもそもそもCWDってどんな病気なんだろう? 
エゾシカ協会理事で北海道大学大学院獣医科学講座と、岐阜大学人獣共通感染症講座がこのほど発表した最新論文「シカ類のプリオン病――慢性消耗性疾患(CWD)」

エゾシカ協会ニューズレター

■CWDはこんな病気

 CWDにかかったシカは、体重が減り、〈同じところを繰り返し歩行する、他の動物に無関心となる、頭部や耳がうなだれる、軽い運動失調を呈する、両足を広げて立つなどの行動の異常が見られる〉。
このような症状は数日間で終わることもあれば、1年以上続くこともあるのだが、〈末期には、過剰な飲水と排尿が見られ〉〈嚥下困難、過剰流涎あるいは異物の吸入により誤嚥性肺炎を引き起こ〉して、最後には死んでしまう。
 発症するのはおもに成獣で、雄雌にかかわらず感染する。

原因は「プリオン」
 症状を見ただけではCWDと断定はできない。解剖して脳を調べる必要があるのだ。診断の決め手は、〈神経細胞および神経網の空胞変性と〉〈異常型プリオン蛋白質の検出〉である。
 この異常型プリオン蛋白質が原因になって起きる病気は「プリオン病」と呼ばれ、牛のBSE(狂牛病)や、人間のクロイツフェルト・ヤコブ病もこの「プリオン病」の一種である。
 このプリオン、生半可な消毒や滅菌が効かない。煮沸くらいでは死んでくれないのである。

北米での状況は?

 北米では養鹿場のシカと、野生のシカの両方にCWDが確認されている。
 養鹿場で感染シカが見つかったら、〈ほとんどの飼育群で殺処分あるいは隔離・検疫が実施されてきた〉。
 例えば、39の飼育群でCWDが見つかったカナダのサスカチュワン州では〈殺処分数は約8000頭に達し、補償も含むその費用は1900万ドル以上と算出されている〉


■2004年11月時点で、「鹿ハンター」から26人のヤコブ病患者が出ているという情報です。
ヤコブ病は100万人に一人の病気とされているのに、変な感じですね。

上記は結局「弧発性、家族性」と片付けられてしまったようですが、そもそもCWDとBSEとは病状が異なりますし、

英国型の狂牛病(BSE)とは病状が違う、弧発性に似た症状のBASE(Bovine Amyloidotic Spongiform Encephalopathy 牛アミロイド型海綿状脳症)も存在します。

■寄生虫問題

今度はジビエ料理が危険なのかその真意を見ていきたいと思います。

今回調査したところは岐阜大学が中心となったグループが鹿とイノシシを捕獲してその肉を調査しました。

調査すると人に悪影響を及ぼす寄生虫が確認されたようです。

鹿の食用の部位にあたるところに約90%、イノシシは約45%。

万が一この肉を食べると嘔吐や下痢を起こす可能性が高いと結果が出ています。