膨大な電子情報を保管するデータセンター(DC)が、雪国で相次いで建設されている。冷気で機器を冷やし、電気代を節約できる利点があるからだ。セキュリティーのために詳しい所在地が伏せられるなど謎も多いDCの現状を見た。

 北海道石狩市。雪が舞う石狩湾近くの約5万平方メートルの土地に、その建物はある。無機質な外観で、敷地の入り口から両端が見えないほど大きい。一見すると倉庫のようだが、人やトラックの出入りはほとんどない。地図に建物の名前は記されていない。

 この建物がサーバーを大量に扱うDCだ。運営する「さくらインターネット」(大阪市)の舟木晃さんに案内してもらった。

 有人監視や生体認証など計七つのチェックを受け、サーバーが詰まったロッカーのような箱が並ぶ部屋にたどり着く。

 舟木さんが通気口を指さし説明した。「冷たい外気を取り込み、サーバーの熱を抑えています」。24時間態勢でデータを処理しており、大量の電力を使う。そのままでは室温は50度を超え、サーバーがダウンする恐れがある。冷却には、コンピューターを稼働させるのと同じ規模の電力が必要になるという。

 このDCでは、冷たい外気を利…

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