学ラン姿で応援の練習をする水野さん(右、京都市北区の京都産業大で)
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20180216/20180216-OYT1I50009-L.jpg

 京都産業大(京都市北区)の全学応援団長に、法学部3年水野涼果りょうかさん(20)が就任した。

 過去に女性のチアリーダー部員が団長を務めたケースはあったが、応援を先導するリーダー部の女性が就任するのは大学創設以来初めて。「応援団長は男性と考える人もいるかもしれないが、男女関係なくできることを証明する。応援で心を動かしたい」と意気込む。

 水野さんは中学、高校時代は女子校で、マンガ部に所属。室内で黙々と作業するのが好きな「インドア派」で、人前で大きな声を出すのも苦手だった。きっかけは、大学の入学式で見た応援団員の気合が入った全力の演舞。「何だこの人たちは」と衝撃を受けると同時に力強さに魅了され、入団を決意した。

 週4回の練習では、四股を踏んだり、腕立て伏せを100回続けたり。体育会系ばりの厳しいメニューで体を鍛えた。大阪市から片道2時間の通学時間にイヤホンで応援歌を聴き、頭にたたき込んだ。硬式野球部やラグビー部の応援と活動は季節を問わず、夏は汗にまみれ、冬は寒さに耐えながら屋外で声をからした。

 最上級生となる新年度を控え、リーダー部で同学年の男女3人の中から先輩の指名を受けて団長に決まった。2年の男性団員(19)が「全力で最後までやり通す人。この人が団長になると思っていた」と話すように、強い意志とリーダーシップで後輩たちの人望も厚い。

 「みんなの意見を聞いてまとめていきたい」と水野さん。リーダー部、チアリーダー部、吹奏楽部計70人による全学応援団の先頭に立つ姿は、後に続く女性に刺激を与えている。リーダー部の2年の女性団員(20)は「先輩の演舞をみてかっこいいと思い、入団した。女性がやってもいいんだと背中を押された」と話す。

 関西では、関西大(大阪府吹田市)や大阪大(同)などでも女性の応援団長が続々と誕生。京産大のリーダー部は部員11人のうち6人が女性だ。女子大生が硬派な“男の世界”とみられていた応援団で活躍する状況に、水野さんは「女性がやりたいと手を挙げたら、団員として受け入れてもらえる環境になった。もっと仲間が増えてくれたら」と期待を寄せる。(林華代)

2018年02月19日 07時40分
YOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180216-OYT1T50029.html