播磨灘で獲れる新鮮な兵庫県明石産のタイやスズキの価値を高めようと、明石浦漁業協同組合(明石市岬町)は、魚の鮮度を判定できる新装置を3月から導入し、厳選したタイやスズキを「特選品」として出荷する取り組みを始める。装置は地元の計量器メーカーが開発した。漁協は「明石ブランドを全国にPRしたい」としている。

 漁協は明石産の魚介類の魅力を広めようと、平成27年12月から地元の計量器メーカー「大和製衡(やまとせいこう)」とタイアップ。魚の脂の乗り(脂肪率)を測定できる同社の装置「フィッシュアナライザー」を活用し、脂の乗った良質な明石産のタイを「特選品」としてブランド化し、魚価を高める取り組みを進めてきた。

 さらに今年1月、同社は脂肪率だけでなく鮮度も計測できるよう装置を改良することに成功。漁協は新装置でタイの品質を鮮度も合わせて判定するとともに、食感や味が比較的似たスズキも同様の判定対象に加え、3月から特選品を厳選して出荷することにした。

 改良版フィッシュアナライザーは微弱な電流を魚の体に流し、体内に含まれる水分と脂肪の割合から鮮度や脂の乗りを読み取る仕組み。漁協が今月7日に行ったデモンストレーションでは、漁師がスズキの背びれに新装置を当てると、最も鮮度が高い「A」の文字が表示された。

 漁協は特選品と判定したタイやスズキについて、高級料亭向けの商品として東京・築地市場などに出荷する方針。漁協の山本雄司部長は「地元企業が作った新装置を有効活用し、明石産のタイだけでなく、スズキも全国に通用する魚としてPRしたい」と話している。


産経WEST 2018.2.22 15:48
http://www.sankei.com/west/news/180222/wst1802220067-n1.html