リニア工事のような高度な技術を必要とする工事で談合が問われたケースはまれだ。立証に向けたハードルも高いとみられていただけに、スーパーゼネコンの幹部2人が逮捕される事態に業界に衝撃が走った。

 「これが談合といわれるなら、もうリニアには手を出しづらくなる。大成と鹿島が徹底抗戦したくなる気持ちは分かる」。リニア工事を受注した準大手のゼネコン関係者は、戸惑いを隠せない様子で語る。別のゼネコン関係者は「JR東海は積算や設計をゼネコンに手伝わせていた。工法の研究対象が重ならないよう情報交換をしてもいけないのか」と嘆いた。

 「うちはあの工区、一生懸命やっていますよ。そちらはどうですか」「うちは手がいっぱいですよ」−。鹿島建設の幹部によれば、大手4社の営業担当者は月に1回、東京都内の会合で顔を合わせた際、こうした情報を交換していた。

 不正な受注調整を否定しながら、幹部が逮捕された大成は「約3カ月にわたり任意で応じているにもかかわらず逮捕され、到底承服いたしかねる」と怒りをあらわにした。大成の関係者は「公判でも徹底的に戦う」と検察との対決姿勢を鮮明にしている。

 一方、検察幹部の一人は立件の意義をこう強調した。「9兆円の国家事業でなれ合いをしていたことが信じられない。こんなことをしていたら社会が腐り、日本企業の競争力が損なわれてしまう」


産経ニュース 2018.3.2 22:34
http://www.sankei.com/affairs/news/180302/afr1803020066-n1.html

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