京都市左京区の障害者施設「飛鳥井ワークセンター」が、京都府内産の希少なバターと塩をふんだんに使った高級食パンを新たに開発した。1斤660円とかなり高額で販売日も不定期だが、店頭に並べば即完売の人気ぶり。センターでは「積み重ねてきた技術を糧に全力で取り組みたい」としている。

 飛鳥井ワークセンターは1996年の開設以来、製パン事業に取り組む。作ったパンはセンターと同じビルの1階にあるスーパー内の店舗で販売していて、地域の店として定着している。食パンの味をさらに改良しようと、職員らが昨年9月以降、試作を重ねてきた。

 完成した食パン「京の旨(うまみ)」は、昨年11月に府内の障害者施設を対象に行われたパンのコンテスト「ベーカリーあすのKyotoカップ」食卓パン部門でグランプリを受賞。京丹後市産のジャージー牛バターと塩を使用するなど材料に徹底的にこだわったほか、湯で溶いた米粉をパン生地に混ぜる製法でもちもちした食感を実現した。

 材料が希少なため定期的に製造するのは難しく、現在は販売の数日前に店頭で告知して売り出している。従来の食パン(1斤230円)に比べてもかなり高額だが、2回ほど売り出した際にはいずれも数時間で完売した。

 開発に携わった職員の今井浩貴さん(32)は、バターや塩を作る現場を見学した際に「これほど丁寧に作られている材料を用いて、自分たちもよりよいパンを届けたい」との思いを抱いたといい、「パンを通して僕らの気持ちがお客さんに伝われば」と話している。

 1回の販売量は15斤程度で、次回の販売日は6日。問い合わせは左京区田中飛鳥井町

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