HondaJet の場合にはアイコンで、どこに行くというアイコンを押せば飛行場のリストがずっと出てきて、
それを指でスクロールしてNRT を選ぶ。皆さんがスマートフォンで使っているような感じです。
これなども最新の考え方でやっています。最初、FAA にこのコンセプトを話した時、FAA はコンサバなので絶対にだめだと、
あらゆる理由をつけてだめだと言いました。例えば突風で揺れた時に指で押し間違えるだろうと、押そうとしたら突風で
ほかのところを押すかもしれないと、新しいテクノロジーで考えられるありとあらゆる危険性とかそういうものを。
ですから、航空機で新しい技術を採用して認定するのは非常に難しいわけです。この例ではどのような解決策を立てたかというと、
二つのスクリーンに手を当てて、親指と小指で握りながら押せる絶対に押し間違いのないような設計にしました。
タッチスクリーンの幅とか、ここがきちっとグリップできるとか、そういうことで最終的に認定もOK になりました。
認定の時の定性的なパイロットのコメントなどにも応えていかなければいけないというのが難しいところです


日本ではあまり知られていないと思いますので、飛行機の認定を取るのがなぜそんなに大変なのかということをご紹介させていただきます。
認定にアプリケーションしてからのプロセスですが、すべてのプロセスでFAA との合意をとっていかなければいけません。
例えばアプリケーションをした時に、実際どういう認定の基準でやるのかとかいったサティフィケーション・ベーシスとか、そういうことを決めるのから始まりまして、
実際にサティフィケーションをする時にはどういう方法で、どういう試験をして、どういうプランでやっていくかということを、機体全体の設計、
すべての部品に対してやっていかないといけません。そのようなことが終わった後にすべての部品レベルでの認定試験があり、
そして実際のフライト試験に入ります。そのフライト試験に入る時もフライトプランをまず初めにFAA に提出して、FAA がそれを承認しないとテストも始められません。
それが承認されたらFAA のまた違うディビジョンが、いま飛んでいる機体、テストに使っている機体と設計とがまったく同じに作られていることを証明して
承認してもらわないといけません。そして、それがわかった時点で初めてFAAのパイロットが乗って、先ほどのビデオにあったようなフライト試験が始まります。
そのフライト試験が終わった後にAEG といって、例えばFSB とかいろいろなエアクラフトのエバリュエーションが行われます。
そしてタイプ・サティフィケーションボードというのが開かれて、ここで基本的なタイプ・サティフィケーションが下りて、
その後にフライトマニュアルとかそういうものの承認が下りて、最後にTC 取得となります。