3/29(木) 5:55配信
神戸新聞NEXT

 米大リーグ、ヤンキースの田中将大投手が中学時代に所属し、全国大会の常連として知られる硬式野球チーム「宝塚ボーイズ」を運営するNPO法人が、三田市の山林に無許可で野球場を建設したとして、同市から是正勧告を受けていたことが28日、市などへの取材で分かった。約20年前に土砂崩れがあった土地で、地元から危険性を指摘する声が上がっていた。法人は不備を認め、同日までに市に是正計画を提出した。(山岸洋介)

 勧告を受けたのは、宝塚市のNPO法人「ベースボールスピリッツ」。プロ野球オリックスでイチロー選手(現マリナーズ)の専属打撃投手だった奥村幸治氏(45)が理事長を務めている。宝塚ボーイズは奥村氏が1999年に設立し、中学生約90人が所属。田中投手のほかにもプロ野球選手が育っている。

 野球場のある土地(三田市大川瀬)は、かつて土砂の埋め立て処分場だった。96年に土砂が崩れて約5千平方メートルの農地が埋まり、兵庫県の復旧命令を受けて所有者が平たんな土地に造成した経緯がある。

 法人によると、2009年に大阪市の不動産業者から約4万平方メートルを約6千万円で購入し、翌年、森林法に基づく県の開発許可を得た。約1億4千万円を投じ、球場本体の建設のほか、県の許可基準を満たすように排水路や貯留池などを整備したという。

 野球場は両翼95メートルと90メートルの2面あり、屋根付きベンチやトイレなども設置。週末を中心に宝塚からマイクロバスで選手が訪れ、練習や試合に使っている。

 一帯は市街化調整区域のため、開発には都市計画法に基づき三田市の許可も必要だが、土砂崩れを懸念する地元の指摘を受けて市が調べたところ、無許可建設が判明した。市は14年6月から複数回、許可を得るよう勧告していた。

 法人は今月9日、排水環境など市の許可基準をクリアするため、約2千万円かかる工事の計画を市に提出した。奥村氏は神戸新聞社の取材に「指導されるまで市の許可が必要とは知らなかった」と釈明し、「安全性を満たして引き続き使っていきたい」としている。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180329-00000000-kobenext-l28