2018年現在、世界各国でF-35の配備が進んでおり、同時にいまアメリカ各地の基地では、同機を配備する各国の軍のパイロットたちが訓練に励んでいます。

■F-35配備開始、本格稼働のその前に

 2018年1月、青森県の航空自衛隊三沢基地にF-35Aが配備されました。航空自衛隊によると、今後F-35Aを計42機調達し、2017年度に1機、2018年度には9機を三沢基地に配備し、国内初の飛行隊を編成する予定です。

ルーク空軍基地で展示された航空自衛隊向けF-35A初号機のAX-1
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 このように日本でもF-35が本格的に配備されつつありますが、ほかの国でも同様に配備が進んでいます。F-35の開発パートナーであるイタリア、オーストラリア、オランダ、ノルウェー、デンマーク、トルコ、カナダなどの国々をはじめ、日本や韓国、イスラエルなどの対外有償軍事援助プログラム(FMS)対象国に向けたパイロットの訓練が、F-35のトレーニングセンターを設置するアメリカのアリゾナ州にあるルーク空軍基地にて始まっています。

 航空自衛隊は、アメリカ空軍同基地の第944作戦群(944 OG)の第2支隊(DET2)「Ninjas」の下で訓練を行っており、2017年5月には2名の航空自衛隊パイロットが訓練を修了しています。およそ7ヶ月間の訓練では、実際のフライトを体験する前に徹底した座学とシミュレーターによるトレーニングを行い、最終的な訓練では空対空、空対地のミッションを行いました。

■各国のF-35が一堂に 空自初号機の姿も

 訓練を修了したパイロットは「トレーニングでは多くの情報が得られ、戦術や飛行方法についてインストラクターから多くの事を学んだ」とコメントしています。今後は、製造元であるロッキード・マーチンの支援を受けながら、航空自衛隊を含め各国パイロットの訓練が進めれていくとのことです。

イタリア空軍のF-35A。機体と一緒に装備品も展示
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ノルウェー空軍のF-35A。同国向けの特別装備品としてドラッグシュートの試験がアラスカで実施中
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航空自衛隊には、今後42機のF-35Aが調達される予定
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 2018年3月17日から18日にかけ、この基地で行われたエアショーでは、イタリア空軍とノルウェー空軍、そして航空自衛隊のF-35Aが展示され注目を集めました。この航空自衛隊機は、テキサス州フォートワースにあるロッキード・マーチンの工場で製造され、2016年8月24日に初飛行を行った空自向けの初号機、AX-1でした。

 ちなみに、ステルス機のため塗装には制限があり、それぞれの判別はコックピットからやや後方の機体下部に見られるような、ロービジ仕様の国籍マークなどを頼りにするしかありません。航空自衛隊機はその場所に、グレーの日の丸が描かれています。

■開発パートナー、オランダの場合は…?

 アメリカに拠点を置く同盟国のF-35も、訓練を活発化させています。

 同機開発パートナーであるオランダは、カルフォルニア州にあるエドワーズ空軍基地に訓練拠点を置き、オランダ空軍第323試験飛行隊のF-35Aで訓練を重ねており、カルフォルニア州にある低空訓練エリアR-2508、通称「スターウォーズキャニオン」では、その姿をしばしば見かけます。オランダでは2016年5月に本土へF-35が到着し、今後は計37機を導入する予定となっています。

アメリカ海兵隊への導入が進むF-35B(
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このように、各国では本格的な配備に向けて着々と準備が進んでいます。アメリカ空軍ではF-16からの機種更新で多くの部隊へF-35Aが配備され、アメリカ海兵隊でもF/A-18「ホーネット」やAV-8B「ハリアーII」からF-35Bへの更新が行われています。

 第5世代のステルス戦闘機がアメリカの同盟国に次々と配備され戦術が見直されるなか、航空自衛隊の運用方法にも注目が集まることとなるでしょう。

2018.04.04
乗り物ニュース
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