子どもたちに温かい食事や居場所を提供する「子ども食堂」。全国各地で急速に広がる一方で、運営資金やスタッフの確保など“大人の都合”で休止を余儀なくされる事例も出ている。息長く活動し、支援が必要な子が安心して集えるインフラとして地域に根付かせるためにはどうすればいいか。模索が続いている。


 先月30日。2016年1月から子ども食堂に取り組んできた北九州市小倉北区のカレー店「サンタクロース亭」が閉店した。繁華街の一角にあり、子どもに1杯100円でカレーを提供してきた。当初は十数人の子どもが来店していたが、最近はほぼゼロ。店舗自体の売り上げも減少傾向で、事業見直しの一環で閉店を決めたという。

「『困っている子はおいで』来づらい面もあったかも」

 店舗を運営するのはラーメンチェーンなどを手掛ける「コスモスグループ」(同区)の系列会社。営業時間を昼に限定し、シングルマザーに働く場所を提供して「母も子も支えたい」と開業。貧困などで満足に食事を取れなかったり、独りで食事したりしている子が立ち寄れる居場所を目指した。グループの岡本堅吾会長は「飲食店で『困っている子はおいで』と呼び掛けると、子どもが来づらい面もあったかも」と悔やむ。

 福岡県大野城市の飲食店を会場に、16年2月から子どもと大人が一緒に調理して食べる場を提供してきた「はなちゃんのみそ汁 下大利食堂」も昨春、運営上の問題で活動をやめた。

活動継続には「イメージを変える必要がある」

 活動継続には何が必要か。筑紫女学園大の大西良准教授(社会福祉学)は「『食堂=恵まれない子どもが行く場所』とのイメージを変える必要がある」と説く。本当に支援が必要な子が集まらず、運営者のモチベーションの低下を招いている面もあり「スタッフが意識を共有することが求められる」と指摘する。

 北九州市立大の稲月正教授(社会学)は「公的支援や民間の寄付も含め、子ども食堂自体が経済的に自立することが欠かせない」と企業や地域住民の理解の重要性を挙げる。

「子どもが集まるように工夫する必要」

 長崎県諫早市で16年夏から活動を始めた「YYこども食堂」は地域住民らで運営し、費用は社会福祉協議会の助成金や市民からの寄付などで賄う。地元農家からも食材の提供を受ける。

 当初から地域の「三世代の交流」を掲げ、食事だけでなく将棋やもちつきなどのイベントも企画。スタッフの反省会を定期的に開いて運営上の課題などを話し合っているという。共同スタッフの田添政継さん(70)は「核家族化などで薄まっている家族の絆を再確認し、地域の活性化につなげていきたい」と話す。

 子ども食堂の運営に携わるNPO法人「フードバンク北九州ライフアゲイン」(北九州市)の原田昌樹理事長は「子ども食堂の運営には食べ物、ボランティアスタッフ、お金が必要だが、何より子どもが集まらないと始まらない。失敗例を教訓にして、子どもが集まるように工夫する必要がある」と訴えた。

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