【ニューヨーク=上塚真由】シリアの首都ダマスカス近郊の反体制派の拠点、東グータ地区で化学兵器が使用された疑いを受け、国連安全保障理事会は9日午後、緊急会合を開いた。アサド政権の後ろ盾であるロシアのネベンジャ国連大使は、改めて化学兵器使用の疑いを否定。米国がアサド政権への軍事攻撃を排除しない考えを示したことに、米国が攻撃すれば「ロシア軍が派遣され、重大な影響が出る」と警告した。

 緊急会合は、アサド政権による再三の化学兵器使用を非難する米英仏など9カ国が開催を要請。また、ロシアも独自で開催を求め、米英仏などと、ロシアがそれぞれ激しい言葉を浴びせ非難の応酬となった。

 ネベンジャ氏は、化学兵器使用疑惑は「フェイクニュースだ」と否定。米英仏は証拠がないのにアサド政権やロシアに責任を押しつけているとして「ロシアに対する許し難い脅しだ」と非難した。また、シリアとともに化学兵器禁止機関(OPCW)の現地調査を受け入れる用意があるとも述べた。

 一方、米国のヘイリー国連大使は、罪のない市民をターゲットにするのは「怪物しかしない」と非難。ロシアはアサド政権の凄惨な攻撃を支援しているとして、「ロシアの手は、シリアの子供たちの血で覆われている」と糾弾した。さらにトランプ大統領が9日、「今後24時間から48時間で重要な決定をする」と発言したことを受け、「重要な決定はこの議論の最中にも検討されている」と述べ、シリアへの報復の可能性を示唆した。

2018.4.10 09:19
産経ニュース
https://www.sankei.com/world/news/180410/wor1804100011-n1.html

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