新天皇の即位を内外に宣言する来年10月22日の「即位礼正殿の儀」で使われる玉座(ぎょくざ)「高御座(たかみくら)」が、早ければ7月にも京都御所から東京都内に移送される見通しとなった。代替わりを象徴する調度品だが、今の天皇陛下の即位儀式から使われておらず、劣化も目立つ。宮内庁は都内の民間業者に修繕を依頼し、本番に備える。

 高さ約6・5メートル、重さ約8トン。現在、京都御所で最も格式が高い正殿・紫宸殿(ししんでん)に置かれている。1990年11月の「即位礼正殿の儀」で使われた際は、過激派の攻撃対象になり、厳戒態勢で自衛隊ヘリで京都から東京に極秘に運ばれたが、今回は解体してトラックで運ばれる見通し。

 高御座は奈良時代から即位儀式に使われてきた伝統がある。現在の高御座は1915(大正4)年に行われた大正天皇の即位の際に作られた。3層の壇の上に畳が敷かれ、御倚子(ごいし)が据えられている。屋根は八角形で、頂上に金色の大鳳凰(ほうおう)、八方に小鳳凰が飾られている。

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