4/15(日) 10:00配信
毎日新聞

 宮城県気仙沼市魚町地区に建設中の防潮堤について、県は14日、工事ミスで一部完成部分の高さが22センチ高くなっていたことを明らかにした。同地区の防潮堤は、県が住民の要望を受け入れる形で、当初の計画から高さを下げ、4.1メートルとした経緯がある。県は工事を中止し、改めて住民の意向を聞いた上で対応を決めるが、同市中心街の復興事業がさらに遅れる懸念も出ている。

 同市役所で開かれた住民組織「内湾地区復興まちづくり協議会」の会議で県が説明した。

 県によると、防潮堤は長さ312メートルで2015年に着工した。県が今年3月、完成した長さ160メートル部分を確認したところ、22センチ高くなっていることが分かった。

 同地区の防潮堤は高さが4.1メートルと決まった後、地盤が22センチ隆起していることが判明。このため県は17年3月、堤防の高さを22センチ下げるように計画を変更していた。しかし、設計段階で誤りがあり、県の確認も不十分で、以前の高さのままで工事が進められたという。

 今後の対応について県は、堤防を造り直して22センチ下げる▽堤防はそのままとし、背後の区画整理事業で盛り土をする▽高さを下げず工事を続行する−−の3案を示した。

 工事費は現在18億円だが、造り直す場合は概算でさらに数億円かかり、工事期間は、方針が決まった時点から最大で1年程度となる見込み。高さを下げずに工事を続行した場合は今年9月に完成予定という。【新井敦】

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180415-00000009-mai-soci