CNN.co.jp 2018.04.17 Tue posted at 11:32 JST

(CNN) 乗客が立った姿勢で航空機に搭乗する垂直型座席の新モデルが、このほどドイツ・ハンブルクで開かれた航空機の内装展示会で披露された。

立ち乗り座席の「スカイライダー2.0」は、イタリアの座席メーカー、アビオンインテリアズが開発した。
旅客機に搭乗できる乗客の数を増やすため、座席と座席の間隔を狭め、「超高密度」で乗客を詰め込むことができるとうたっている。

乗馬用の鞍(くら)にまたがるような形で座席につく立ち乗り座席「スカイライダー」のデザインは、同社が2010年に披露した。しかし米連邦航空局(FAA)などに承認されず、普及には至らなかった。

2.0では詰め物を増やし、各列に天井から床まで届くポールを配置するなどしてデザインを改良。
この座席は短距離便での採用を想定しており、乗客の快適さを保ちながら搭乗者数を20%増やすことができ、航空会社にとっての増益につながると同社は宣伝している。

重さは一般的なエコノミークラス座席の半分以下。部品の数も減らしたため、メンテナンス経費も抑えられるという。

立ち乗り座席のコンセプトは20年ほど前から浮上し、エアバスやライアンエアーは機内に立ち乗り区画を設ける案を打ち出した。しかし今のところ、そうしたアイデアは破棄したらしい。

アビオンインテリアズでは、スカイライダー2.0を「格安航空の新境地」と位置付ける。
ただ、航空専門家は、スペースが狭いために非常時の避難が遅れる可能性があることや、座席の下に荷物を置くスペースがないといった難点を指摘している。

今のところ、この革新的な座席を採用する航空会社は現れていない。

航空機の内装展示会で、立ち乗り座席の新モデルが披露された=Aviointeriors
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