新名神高速道路 高槻−神戸全通で交通が分散している
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新名神高速道路の川西インターチェンジ(IC、兵庫県)−神戸ジャンクション(JCT、同)間の16・9キロが開通して18日で1カ月。新名神の高槻JCT・IC(大阪府)から山陽自動車道につながる神戸JCT間(40・6キロ)が直接結ばれたことで、並行する名神高速道路と中国自動車道の交通量が約25%減少するなど渋滞が緩和した。運輸業など企業活動にも効果が表れ始めている。

 西日本高速道路は、新名神の高槻JCT−神戸JCT間の所要時間を26分とし、名神・中国道ルートより通常時で6分、休日の朝夕時で10分短縮され、朝夕の最大混雑時では54分の短縮になるとしている。

 同社によると、同区間の名神・中国道の昨年3月20〜26日(月〜日曜)の最長5キロ以上の渋滞は17回で、うち11回は中国道の宝塚トンネル(兵庫県宝塚市)やその付近で発生していた。

 今回、新名神開通直後の3月19〜25日(月〜日曜)に調査したところ、渋滞は名神・中国道4回、新名神が1回。1日当たりの平均交通量は名神・中国道は前年の10万6200台から約25%減の8万100台となり、新名神は3万8千台で分散化が進んだ。

 大阪−津山(岡山県津山市)間で中国ハイウェイバスを運行する神姫(しんき)バス(兵庫県姫路市)の広報担当者は「朝、夕に慢性的な渋滞があった。渋滞緩和でバスの定時運行が確保できるようになり、ドライバーも運転しやすくなった」と話す。

 名神の茨木IC付近に昨年11月、関西の主要物流拠点を置いたヤマトホールディングスは「関西の玄関口に拠点が完成し、都市間輸送のスピードがより速まった。関西から西方面へも、渋滞緩和で安定した運行ができるようになった」(広報担当者)と効果を話す。

 新名神効果に期待して、IC近接地には物流拠点や工業団地の開発計画が相次いでいる。大和ハウス工業などは3月、名神・茨木ICと新名神・茨木千提寺(せんだいじ)ICに近い大阪府茨木市の彩都(さいと)東部で、産業団地「茨木北テクノタウン」の販売を開始した。物流や工場用地、研究開発拠点として、企業から引き合いが強いという。

同社広報は「新名神、名神に近く、近畿エリアから西日本へのアクセスに優れた立地。物流だけでなく、企業の研究開発拠点などさまざまな用途に活用が期待できる」としている。三菱地所と阪急電鉄も、32年度に物流施設を完成させる予定だ。

■「すみ分け可能に」

 日本総研の石川智久関西経済研究センター長の話「宝塚トンネルの渋滞緩和効果により、兵庫方面の観光需要が伸びるだろう。新名神周辺は、ネット通販の拡大を受けた物流拠点として企業の関心が高い。中国道は観光利用、新名神は企業活動の利用にすみ分けができそうだ」

2018.4.18 11:15
産経WEST
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