不動産情報サービスのアットホーム(東京・大田)がまとめた2018年3月の首都圏の中古マンション成約価格は、前年同月比12%上昇して3014万円だった。3000万円を超えるのは比較可能な09年1月以降で初めて。「若年層も高齢者も利便性の高い東京23区に居住する志向が強く、新築より割安な中古に人気が集まっている」(同社)という。

 全国の不動産会社が加盟する同社の情報ネットワークに図面を登録し、成約した中古マンションを集計した。首都圏の成約価格の上昇は24カ月連続となる。

 首都圏内をエリア別にみると、成約件数で半数を占める東京23区が9%上昇し3709万円と全体をけん引した。将来は賃貸することも視野に入れ、居住スペースが狭くても資産価値の高い23区の中古物件を選ぶ人が増えているという。23区の成約物件の平均面積は55平方メートルと首都圏の平均より約1割狭い。

 神奈川県は10%上昇の2497万円だった。横浜市内など23区に近いエリアで上昇が目立った。埼玉は9%上昇の1999万円、千葉は20%上昇の1892万円だった。23区以外をさす東京都下は2%低下し2560万円だった。

 同社は「投資目的の需要ではなく、購入者が実際に居住する実需に支えられており、過熱感はない」と分析。今後も上昇傾向は続くとみている。

2018/5/7 22:26
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30169690X00C18A5L83000/