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東京都中野区長選(11日開票)で初当選した酒井直人区長(46)が15日、初登庁した。酒井氏は就任会見で、区長選で争点となった中野サンプラザ解体や1万人収容のアリーナ建設などの中野駅北口整備計画について「一度立ち止まる」と述べ、凍結を表明した。今秋にも学識経験者らによる検証委員会を発足させ、答申を受けた上で方針を決める。【福沢光一】

 酒井区長は午前8時40分過ぎ、職員や支援者が玄関前で出迎えるなか初登庁。「現場の区民の声を職員がいっぱい聞いて、施策にどんどん反映させていくボトムアップの区政を実現していきたい」とあいさつした。続く就任会見では「中野を『子育て先進区』にしたい。都市部における高齢施策のモデルを作りたい。区民参加の仕組みを整え、対話による街づくりをしたい」と抱負を語った。

 前区長の田中大輔氏(66)が提唱した、2024年度前後にサンプラザを解体し、区役所・サンプラザ地区に1万人アリーナなどを建設する構想については、一時凍結を明言。「今年度中に方向性を出したい。サンプラザを残す場合のコストやデータを区民や議会に示し、議論する」と語った。

 検証委は学者、経済団体、地元団体、公募の区民ら15〜20人で構成し、審議を公開する予定。区立体育館の土地に新設する区役所庁舎の整備費(221億円)の財源についても議論する。整備計画には野村不動産など民間業者が関わっているが、酒井区長は「一度立ち止まってもらう」とした上で「デベロッパーは一緒に参加して議論する人たち。必要に応じて検証委に入ってもらう」と述べた。

 酒井区長は選挙戦を通じて「サンプラザに愛着を持つ人がかなりいることを肌で感じた」と指摘。建て直す場合も「名称や形(大三角形)が思い出させるようなものを絶対残したい」と語った。

 その後、酒井区長は幹部職員らの前であいさつ。「子育て施策は最重要課題として真剣に取り組む。中野駅前再開発などは区民の声が政策に反映されておらず、見直しも必要。政策の見える化を徹底的に行う」と語った。

6/15(金) 18:50
毎日新聞
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