http://www.afpbb.com/articles/-/3179818

ナイジェリアの警察当局は24日、同国中部で遊牧民とみられる集団が農耕民の集落を襲撃し、
86人が殺害されたと発表した。一帯には夜間外出禁止令が出され、ムハマドゥ・ブハリ
(Muhammadu Buhari)大統領は平静を呼びかけた。

現場はプラトー(Plateau)州のバーキンラディ(Barkin Ladi)地区。一帯では、キリスト教徒が多い
ベロム(Berom)人の農耕民が、イスラム教徒が多いフラニ(Fulani)人の遊牧民に21日に攻撃を仕掛け、
これがきっかけとみられる武力衝突が数日にわたって続いていた。

国家警察の幹部が記者会見で明らかにしたところよると、23日の衝突後にベロム人の複数の集落を
捜索した結果、計86人が殺害されていたことが分かった。このほかに6人が負傷し、家屋50棟が破壊されたという。

大統領府は平静を呼びかけるとともに、関与した者を処罰し、一段の攻撃を防ぐために努力を惜しまないと確約した。

プラトー州政府は、一帯に24日午後6時から25日午前6時まで夜間外出禁止令を発令した。

ナイジェリアでは土地や資源をめぐる争いに民族や宗教、政治的な対立も絡んで数十年にわたって抗争が続いており、
今回の事件は来年選挙を控えるブハリ大統領に圧力をかけるものとなった。

専門家はこの抗争について、2009年以降少なくとも2万人の死者を出しているイスラム過激派組織
「ボコ・ハラム(Boko Haram)」による襲撃をしのぎ、ナイジェリアにとって最も懸念すべき治安上の問題になる可能性もあるとみている。