2018年06月30日 土曜日

 国際的に漁獲が制限されているクロマグロの沿岸漁業者の漁獲枠について、青森県と水産庁は29日、青森市で県内漁協など関係者への説明会を開いた。漁協ごとの配分量などが示され、漁業者から「これでは生活できない」などと反発の声が相次いだ。

 資源が激減したクロマグロについて、水産庁は今年から、罰則付きの海洋生物資源保存管理法に基づく漁獲可能量(TAC)制度を適用。30キロ以上の大型魚の都道府県別の漁獲枠を初めて設定した。

 巻き網漁など国が管理する沖合漁業は全国で3230トン(管理期間2018年1〜12月)なのに対し、都道府県が管理する沿岸漁業(18年7〜19年3月)は計732.7トンとした。青森県には361.2トンが割り当てられ、漁協別の配分は、県が12年からの6年間の実績に基づいて決めた。ただ1割を留保枠に設定したこともあり、これまでの実績を下回る。

 会議では漁協側から「説明が足りない。TACの適用を延期してほしい」「一度に大量に水揚げする巻き網漁よりも零細な沿岸漁業にもっと配慮すべきだ」などの厳しい意見が出た。

 水産庁漁業調整課沿岸・遊漁室の斎藤晃室長は「実績だけではなく今後の配分のルールを見直していきたい」と答えた。

 会議後、新深浦町漁協の小枝裕幸組合長は「数字には従うが、漁業者をまじえないところで決められた。国の押しつけであり賛同できない」と話した。

https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201806/20180630_23052.html