2018年07月17日 07時58分 読売新聞

 航空自衛隊のF2戦闘機の後継機を巡り、日本主導の国際共同開発を模索してきた防衛省の路線が揺らいでいる。大本命と目される米ロッキード・マーチン社の開発提案が想定より高額で、費用対効果の観点で疑問視する声が上がり始めたためだ。

 ◆予測は150億円

 現在約90機が配備されているF2は2030年頃から退役が始まる。戦闘機開発には10年程度を要するため、防衛省は、年末に策定する次期中期防衛力整備計画(中期防、19〜23年度)に具体的な開発方針を明記したい考えだ。

 後継候補は、〈1〉米空軍のF22戦闘機の機体をベースに、F35の電子機器を搭載した高性能ステルス機とするロッキード案〈2〉空自の主力戦闘機F15の技術を活用した米ボーイング社案〈3〉英空軍の主力戦闘機「タイフーン」の技術を活用する英BAEシステムズ社案――の3案が浮上している。いずれも日本との共同開発が前提だ。

 3案では、ステルス性や飛行性能などでロッキード案が抜きんでており、防衛省は情報収集段階から本命視してきた。だが、13日にロッキードが示した正式な提案では、1機あたりの価格が200億円超で、150億円とみていた防衛省の予測や空自が導入したF35の価格(約131億円)を大きく上回る結果となった。防衛省幹部は「高額すぎだ。このままでは受け入れられない」と嘆く。

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